医療業界を支えるMedTech

「X-Tech」とは、既存の産業とIT技術を融合させて、新しい活用方法や課題解決を目指す取り組みのことだ。

それには様々な分野が含まれるが、その中に医療分野とITの融合である「MedTech」が存在する。

MedTechが誕生した理由には、新型コロナウイルスの影響による医療現場の逼迫、医療従事者が不足していることが挙げられるだろう。

医療従事者は患者の命を預かるケースが多く、求められるのは高度な知識と技術を持った人間だ。

そのため、医師試験や看護師試験の合格基準を下げ、人材を増やそうとする試みはあまり現実的ではない。

その一方で、医療技術の発達により超高齢社会となり、患者数も治療に携わる時間も増加している。

優秀な人材確保の難しさと、医療に対する需要の増加という二重の理由で、人材不足が加速しているのだ。

そこへ拍車をかけるように、新型コロナウイルスが蔓延したことにより、医療機関がパンク寸前にまで追い込まれたことは記憶に新しいだろう。

MedTechは、医療現場の効率化の点で人材不足につながるはずだ。

画像診断や手術を、AIやロボットがサポートすることも不可能ではない。

IoT機器を導入し、遠隔地でも健康状態をつぶさに確認できれば、診療や薬の処方を対面せずに行うことにも期待が持てる。

無論、これらの技術もまた人命に関わってくることだ。

そこでMedTechに携わるエンジニアにも、高度なスキルと医療に対する造詣が求められるだろう。